３番人気での３着という結果であるが、昇級初戦も十分通用する走りを見せており今後も好勝負に期待できそうだ。前走・未勝利戦で道中馬順を下げる不利がありながら４角10番手から上がり最速の脚で差し切り未勝利を卒業。今回は昇級戦で古馬と初対決、３歳勢も勢いのある馬が揃い１勝クラスとしてはメンバーレベルの高い一戦。３歳１勝クラスで好走を続けていたアンズアメが順当に勝利を飾ったが、レース内容では互角の評価できる３着であった。好スタートから先行勢を行かせて中団外目を確保し、手応え十分に先団を見る形でレースを進める。４角手前から徐々にスパートを開始し、大外を先団目掛けて上昇するも12.4-12.2秒とピッチが上がり厳しい展開に。それでも直線では早々と３番手に追い上げ前を行く２頭を猛追するも、12.2-12.3秒とピッチは落ちずに先行集団を形成し内を回っていた２頭を捕えるまでには至らなかった。しかし勝ち馬とは0.1秒差で４着以降には５馬身の差を付けており、中団外から唯一追い上げての上り最速は評価できる内容である。デビュー２戦は1800ｍ戦で人気を裏切る走りであったが、３戦目からは1400ｍ戦に距離を短縮し、ドレフォン産駒らしいスピードとキレを披露している。1400ｍ戦は【１･２･２･０】と安定感があり、常時上り上位の末脚をマーク。追い切りでも素晴らしい時計をマークする短距離適性は抜群で、次走以降も1200ｍ～1400ｍ戦なら上位争いが確かな存在である。まだまだ上昇が望める馬だけに１勝クラス卒業と更なる出世にも期待でき、今後に注目していきたい１頭である。

５番人気での５着と結果は残せなかったが、直線での不利が大きくまだ緩い馬体ながら高いポテンシャルは感じられる初陣であった。スタートはやや後手を踏むも軽く気合を付けて後方馬群に取り付く。道中は17頭中13番手で岩田康騎手らしい内々で脚を溜める追走。直線入口でも最内を回り、直線に向くと前のスペースを探しながら軽く仕掛けられて先団馬群に追い付いた。しかし残り200ｍでは前に壁ができており鞍上は手綱を抑えながら外に進路を替えるも、外から差し込んできた馬に進路を塞がれ、再度内に進路を切り替える大きなロスがあった。ゴール前は余力は残っていたものの目一杯追えない状況でゴールしてしまい惜しい競馬となってしまった。それでも勝ち馬とは0.4秒差でスムーズに力を発揮した上位馬とは互角の勝負をしており、直線での不利がなければ好勝負に持ち込めていたのは確かである。上り３Ｆは５位と目立たないが、不利があってのもので数字に表れない部分で次走での妙味は十分。中間の追い切りではまだ馬体が緩くモタモタするところを残していたが、徐々に良化気配を見せておりレースを経験した次走は上積みにも期待できそうだ。夏のローカル小回りコースは不安材料となるが、中１週での東京コースであれば人気以上の結果に期待でき、状態次第では２戦目での未勝利卒業も可能だ。

２番人気での２着で、勝ち馬に0.2秒差を付けられてしまったが、４コーナーでの不利で仕掛けが遅れた結果で確かなポテンシャルは十分感じられた。母・エンテリーチケット、サウジＲＣ３着や京王杯２歳Ｓ２着で先日のＮＨＫマイルＣにも出走した兄マイネルチケットと仕上がり早の血統で、中間の追い切りで好時計をマークし２番人気に支持されていた。好スタートから先手を奪いそうな行きっぷりも、内枠２頭を先に行かせて３番手を追走。鞍上は最内に進路を取り先団２頭から離れた位置取りで落ち着かせる。３コーナー過ぎで中団から外を仕掛ける馬が存在し、鞍上も合わせて軽く促し先団に接近したが、２番手を追走していた馬が下がってきて行き場を失い、外から捲り気味に進出した２頭に飲み込まれてしまう。直線に向き大外に進路を替えてスパートを開始し差を詰め始めたが、左ムチを嫌ったか内に寄れてしまい前を行く馬の真後ろに入ってしまう。残り100ｍで鞍上はムチを右に持ち替え外に持ち出し再度追い出し、ゴール前で猛追するも３着馬を交わすのが一杯となってしまった。コーナー通過順だけを見ると前にいて直線で後続に差されたたように映るが、実際は直線で５番手まで下がってから猛追しており、ゴール前の脚は勝ち馬以上のものであった。残念な結果とはなったがスピード＋キレを初戦から披露しており、次走で初勝利を飾る可能性は非常に大きく、人気でも頭鉄板の評価で狙ってみたい。